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無線機能を集積化したワンチップCMOSセンサ

近年、CMOSテクノロジーを利用した医療用センサデバイスへの応用に向けて、センサ信号処理回路と無線通信機能を一体化し、超小型・超低消費電力・低コストでセンサモジュールを構成する技術の確立が望まれています。機能回路を1つのシリコンチップ上に集積できるCMOSイメージセンサ技術に着目して、医療・バイオ分野へのイメージセンサ技術応用として期待されるカプセル内視鏡への適用とその高機能化に関する研究を行っています。

無線機能を集積化したワンチップCMOSイメージセンサ チップ諸元
試作カメラモジュール 取得画像

電磁結合により低消費電力でディジタル画像伝送を実現するカプセル内視鏡用のRFトランスミッタを提案し、これを組み込んだワンチップカメラデバイスの試作と性能評価を行いました[1,2]。電源電圧2Vでの動作において、回路の直流的な消費電力は約950uW、トータルの消費電力は2.6mWであり、優れた低消費電力性を実現しています。フレームレート2frames/sec、ビットレート2.5Mbpsの通信速度において48cmのエラーフリー受信距離が得られました。

提案するRFトランスミッタにF級増幅の概念を導入し、更なる低消費電力化の検討を行いました。通信回路の性能を表す1ビットあたりの電力消費は、0.2nJ/bit以下であることが見積もられ、今までに報告された埋め込みデバイス用近距離間無線の中で最も低い値で実現できることを明らかにしています[3]。

文献

  1. Shinya Itoh, Shoji Kawahito and Susumu Terakawa,"A 2.6mW 2fps QVGA CMOS One-Chip Wireless Camera with Digital Image Transmission Function for Capsule Endoscopes", Proc. 2006 IEEE International Symposium on Circuits and Systems B3P-Z, pp.3353-3356, 2006.
  2. Shinya Itoh, Shoji Kawahito and Susumu Terakawa,"A CMOS One-chip Wireless Camera with Digital Image Transmission Function for Capsule Endoscopes", IEEJ Trans. SM, Vol. 126, No. 7, pp.318-324, 2006.
  3. Shinya Itoh and Shoji Kawahito, "A low-power transmitter design for inductive data link with class-F switching operation", IEICE Electronics Express, vol.4, No.2, 42-47, 2007.

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